2007年02月27日

ニンファの嘆き

[原題]Lamento della Ninfa
[出版]MADRIGALI GUERRIERI, ET AMOROSI Con alcuni opuscoli in genere rappresentativo, che saranno per brevi Episodii frà i canti senza gesto, LIBRO OTTAVO DI CLAUDIO MONTEVERDE Maestro di Capella della Serenissima republica Venetia. (1638)
[作曲]Claudio Monteverdi (Monteverde)
[作詞]Ottavio Rinucchini

クラウディオ・モンテヴェルディ(1567-1643)は、ヴァイオリン製作で有名なクレモナ生まれの音楽家。マントヴァ宮廷、ヴェネツィア聖マルコ聖堂で、楽長を務めました。

「ニンファの嘆き」は、モンテヴェルディの作品のなかで、管理人がもっとも好きな曲のひとつ。原題にはin genere Rapresentativoと付記されていて、「上演形式」、おそらくは適切な所作を付けて演じることが求められた、と思われます。(ひょっとすると、失われた劇作品の一部であったのかも。)

曲は3部からなっていて、不実な恋を嘆くニンファの嘆きの部分はその第2部になります。編成は、ソプラノ(ニンファ)/2つのテノール/バス/通奏低音です。この第2部は、通奏低音が冒頭の4音を34回繰り返す、パッサカリアやシャコンヌのような手法が用いられています。

この作品、管理人は気に入った演奏を求めて、いろいろなCDを集めてきました。そのCDを、カテゴリ「同曲異盤記(ニンファの嘆き)」に、簡単なコメント付きで紹介しています。興味があれば、ご覧ください。

※集めているとはいっても、カタログから調べて注文する、ということはしていません。店頭で見つけたさいに購入する、といった集めかたです。また、CD番号は購入した時点でのものです。また廃盤の可能性もあります。

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2007年02月20日

アーノンクールのヨハネ受難曲

アーノンクールのヨハネ受難曲

1985年、オーストリアのグラーツ・ドーム(大聖堂)で録画された、アーノンクールによるヨハネ受難曲。ほぼライブ収録とみられますが、録音期間が6月26〜30日となっているので、一部の楽曲は収録日以外から補われたのかもしれません。

J.S.バッハ ヨハネ受難曲 BWV245

  1. 第1部
  2. 第2部
  • 指揮:ニコラウス・アーノンクール
  • 演奏:ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス
  • 合唱:テルツ少年合唱団(ゲルハルト・シュミット=ガーデン指揮)
  • 独唱:クルト・エクヴィルツ(T) トーマス・モーザー(T) ロベルト・ホル(Bs) アントン・シャリンガー(Bs)
  • 監督:ハンフリー・バートン
  • 録画:1985年
  • 発売:Deutshe Grammophon 00440 073 4291

エヴァンゲリストは、旧盤CDと同じくエクヴィルツが受け持っていて、美しい、品格のある、そしてピリオド楽器演奏に親和した歌唱をきかせてくれます。ほかの男声のソリストは、やや違和感がありますが、なかなか安定しています。

高声のソリスト、そして合唱ともに、テルツ少年合唱団の歌唱は、集中力が高いものでした。アーノンクールによるクリスマス・オラトリオのDVDでの歌唱もそうでしたが、ディクションがとても美しく、歌詞が生きているのが魅力的です。

ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスには、若き日のクリストフ・コワンやルカ・ピアンカなどが参加していますが、全体としてみれば、さすがに現在ほどの水準ではありません。

感動的なのは、最後のコラール。その前の合唱曲から、エクヴィルツをのぞく独唱者全員が合唱に参加して、作品をしめくくります。アーノンクールも、なんともいえない良い表情で指揮し、まさに有終の美です。

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posted by auditus at 23:04 | 購入記

2006年12月04日

スイス・バロック・ソロイスツのブランデンブルク

スイス・バロック・ソロイスツのブランデンブルク

ナクソスから、新しいピリオド楽器アンサンブル、スイス・バロック・ソロイスツが登場。このアンサンブルは、2004年に発足した若いグループのようです。

グループが若いだけでなく、メンバーも若いようで、音楽監督をつとめるアンドレアス・ガベッタ(ヴァイオリン奏者)が1976年生まれ。他にも、1977年生まれのリコーダー奏者など、解説書に書かれた経歴からすると、30代のメンバーが中心と推測されます。

1枚目

  1. ブランデンブルク協奏曲 第1番 ヘ長調 BWV1046
  2. ブランデンブルク協奏曲 第2番 ヘ長調 BWV1047
  3. ブランデンブルク協奏曲 第3番 ト長調 BWV1048
  4. 音楽の捧げ物 BWV1079〜トリオ・ソナタ ハ短調

2枚目

  1. ブランデンブルク協奏曲 第4番 ト長調 BWV1049
  2. ブランデンブルク協奏曲 第5番 ニ長調 BWV1050
  3. ブランデンブルク協奏曲 第6番 変ロ長調 BWV1051
  4. フルートと弦楽のための協奏曲 ト短調(チェンバロ協奏曲 第5番 へ短調 BWV1056の編曲版)
  • 音楽監督:アンドレス・ガベッタ
  • 演奏:スイス・バロック・ソロイスツ
  • 録音:2005年
  • 発売:NAXOS 8.557755-56

このCDを購入した理由は、2枚目の4曲目、「フルートと弦楽のための協奏曲 ト短調」のため。ここのところ、バッハのチェンバロ協奏曲の編曲版(オリジナルの協奏曲への復元の試み)が収録されているCDを集めているので、迷わず購入。

演奏はというと、演奏者が若いということもあるのか、清新で、スピーディ。なかなか楽しめる演奏でした。

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2006年11月05日

インマゼールのボレロ

インマゼールのボレロ

ここのところ、19世紀の作品を積極的にとりあげている、インマゼールとアニマ・エテルナ。すでに、ベートーヴェン、シューベルト、J・シュトラウス、ボロディン、チャイコフスキー、リムスキー=コルサコフ、といった作曲家の作品をとりあげています。

で、ここにきて、ついにというか、とうぜんというか、20世紀の作品を録音。そのCD(ラヴェルの有名作品を集めた)を店頭でみかけ、衝動的に購入してしまいました。収録された作品は、以下のとおりなのですが、久しぶりにきいた「ボレロ」や「亡き王女のためのパヴァーヌ」も、とても新鮮にきくことができました。

  1. ボレロ
  2. 亡き王女のためのパヴァーヌ
  3. 左手のためのピアノ協奏曲
  4. スペイン狂詩曲
  5. ラ・ヴァルス
  • 指揮:インマゼール
  • ピアノ:シュヴァリエ
  • 演奏:アニマ・エテルナ
  • 録音:2005年
  • 発売:Zig Zag ZZT 060901

ジャケットを開くと、使用楽器がずらっと並記されていて、このプロジェクトにかけた苦労がしのばれるつくり。解説書も、「ボレロとそのテンポ」など、演奏についての記述もあり、興味深い読み物になっています。

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